港区・六本木で見つけた、とあるバー。洗練された雰囲気を持ちつつ、ふらっと立ち寄れるようなカジュアルな空気も感じさせます。ここなら、バー初心者の私でも緊張せずに入れそう!


早速、今年の夏にでた新作のオリジナルカクテル「21days」を注文してみました。どんなカクテルが運ばれてくるのか、ワクワクしながら待っていると……

わ、なにこれ!? グラスの上に、真ん丸のシャボン玉がのっています。こんなの見たことない!
お店のスタッフの方に「どうぞ、バブルにそっと触れてみてください」と言われ、ドキドキしながら指を伸ばすと……



シャボン玉が音もなく割れ、爽やかな香りとともにスモークがふわり。煙が晴れると、地球を模したような氷が浮かぶ美しいドリンクが現れました。
見た目のインパクトだけではありません。ひと口飲んでみると、やさしい甘さのなかにほのかな酸味とスパイスを感じる絶妙なバランス。後味はスッと抜けるような爽やかさがあり、じっくり練られたレシピで作られていることがうかがえます。
使用しているのは、クランベリー、ベチパー(香水にも使われるハーブの一種)、ノンアルコール日本酒、ノンアルコール白ワイン、レモン。先ほど割ったシャボン玉は植物性の素材で作られた“食べられるシャボン玉”で、シトラスの香りづけがされたスモークを包んでいました。地球をモチーフにした氷は、ブルーマロウというハーブティーを使い深みのある青色を表現しています。
魔法のような体験ができるカクテルですが、なんとこちらノンアルコールだというからさらに驚き! このカクテルだけでなく、店内すべてのドリンクがノンアルコールカクテル(モクテル)や、ノンアルコールワイン、ノンアルコール日本酒、ソフトドリンクの提供となっています。
店名は「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」(ゼロパーセント ノンアルコール エクスペリエンス。以下、「0%」)。バーのイメージをアップデートしてくれるような、非日常感を味わえるお店をご紹介します。
コンセプトは“宇宙にできた最初のバー”
「0%」を手掛けているのは、イベント企画やプロモーションを行うザ・ヒューマンミラクル。東京2020パラリンピック閉会式のプロデュースを担当したことでも知られる、元俳優の小橋賢児さんが代表を務めています。
「私たちの会社では、”0”という数字をとても大事にしているんです」と話すのは、「0%」の店長・菅谷健さんです。
「”0”というのは、ハイでもローでもなく心がニュートラルな状態。その状態で人々が過ごすことで奇跡が生まれる、というのが弊社のコンセプトです。そこで2020年7月にオープンしたのが『0%』。ここに来てノンアルコールカクテルを飲んで、ゼロになった気持ちで人と話をし、新しいアイデアを生み出していくような場所にしてほしいと思っています」(菅谷さん。以下すべて)
店内を見渡すと、不明瞭な像を結ぶ大きなミラー、“ゆらぎ”を表すようなユニークな形のネオンなど、幻想的であり、どこか近未来的。お店のコンセプトは、“宇宙にできた最初のバー”だといいます。
「たとえば、将来当たり前に月旅行に行けるようになったとして、月にも商業施設ができるとしますよね。そこに入る飲食店やバーの第一号店になれるようなお店を目指しています。いろんな国の人たちが集まって、ゼロになった心で過ごしてほしい。国籍、思想、宗教、年齢性別関係なく、同じテーブルで同じものを飲食できる空間にできればと思っています。ですから、飲み物はすべてノンアルコール。食事はヴィーガンフードのみを提供しています」
見た目にも味にもこだわったノンアルコールカクテル
冒頭で紹介した「21days」のように、「0%」で提供されるノンアルコールカクテルはフォトジェニックなものばかり。写真や動画を撮ってSNSにアップする人が後を絶たず、それを見た人が友人や恋人を誘って店を訪れ、またSNSに写真や動画をアップして……という好循環が生まれているそう。
「A Real Pleasure ゼロ(0)になる」も、人気メニューの一つ。大きなボトルの中にハーブやフルーツが浮かび、まるで一つのアート作品のようです。ベチパーを水に漬け込んだベチパーウォーターをベースに、アップルジュース、メープルシロップ、レモン、バジルを合わせています。
ボトルの形状も、まさに“0”を表すような丸い形が印象的です。グラスに注ぐと、甘みと華やかさを感じる香りが広がります。ひと口飲んでみると、甘みはしっかりとありつつ、フルーツの酸味とバジルのキレの良さが相まって、ノンアルコールとは思えない飲みごたえを感じます。それでいて、後味は穏やかで、舌に甘ったるく残る感じがない。「21days」と同じく、見栄えだけでなく中身にも相当なこだわりを持っていることを感じさせます。

オープン時のいくつかのシグネチャーカクテルは、世界的に注目されている「SG Group」のバーテンダー後閑信吾氏が考案。現在は、ミクソロジストとして働いていた経験を持つ菅谷さんが新作モクテルの開発を担当しているといいます。ミクソロジストとは、リキュールを一切使わず、フルーツやハーブを漬け込んだアルコールやシロップを混ぜ込んでカクテルを作る「ミクソロジー」の技術を持つ人のこと。そのときの経験が今のモクテルづくりにも活かされている、と菅谷さんは語ります。
「日本のノンアルコールは味を重視していて、すごく甘くしたり、すごく酸っぱくしたりすることで味の濃厚さを表現しています。でも、すごく甘いジュースのようなものを出して『やっぱりノンアルコールってこんなものだよね』と思われるのは嫌だな、と思いました。ですから、味の濃さを抑える代わりにハーブを使って香りのボリュームを増やし、それが味の力強さにつながるよう意識しています。ただアルコールを抜いたドリンクではなく、お酒と対等な満足感を得られるパワーを確立したいと考えながら、レシピを設計しています」
普段バーをよく利用する人や、料理人など、舌が肥えた人からも「ノンアルコールでここまで“お酒感”やボリューム感が出せるのはすごい」と唸らせるほど、お店のこだわりの味は高く評価されているそうです。
ヴィーガンフードやノンアルコールワインもご賞味あれ
食事は、宗教、年齢、ライフスタイルを問わず誰でも食べられるよう、肉や魚、乳製品等を使用しないヴィーガンフードを提供。神楽坂にあるヴィーガンレストランが監修を行っており、モクテルとも相性が良く、小腹がすいたときにぴったりなメキシコのファストフード「ケサディーヤ」(2種)などのメニューがあります。
アボカドが入ったケサディーヤは、ひき肉風の大豆ミートがたっぷり入っており、見た目以上の満足感! ちょっぴりスパイシーなソースで味付けされており、“ヴィーガンフード=薄味”というイメージが、いい意味で裏切られました。ヴィーガン以外の人でもおいしく食べられるよう、あえてジャンクな味わいにしているといいます。
オリジナルのノンアルコールワインも提供しており、ボトルは店内やオンラインショップでも販売しています。ワインに使われる高級なブドウを完熟させ、通常のワインを作るのと同じ製法で作りながら、アルコール発酵を途中で止める「ノンアルコール製法」で作られており、ぶどう本来の甘みをしっかり味わえるのが特徴です。商品完成まで20種類近くを試飲し、理想のおいしさにたどり着いたのだそう。
写真で、動画で、フォトジェニックな空間を楽しんで!
モクテルはもちろん、お店にはフォトジェニックなギミックがちりばめられています。「メタルエリア」と呼ばれるスペースでは、ネオンが天井に映り込み、まるで天の川が流れているような幻想的な写真を撮ることができます。さらに店の奥の扉を開けると、部屋全体に宇宙空間や青空などさまざまな映像が映写され、頭をリセットして過ごせる隠れ家のような部屋も。写真や動画に収めて、誰かにシェアしたくなる体験を楽しめます。

「当店は格式張った場所ではなく、どちらかといえば『バーに行ったことがない』、『バーってちょっと怖いかも?』と思っている方が初めて来る、第一歩目の場所になればいいなと思っています。初めて来るお客様でも緊張がほぐせるよう、スタッフはテーマパークのキャストをイメージした接客をしているんです。写真が上手く撮れるように、この空間を楽しんでいただけるようにとサポートしますので、ぜひ大舟に乗ったつもりで足を運んでいただけたらうれしいです」
“仕事のことで頭がいっぱい!”、“なんとなく気持ちが張り詰めている”……そんなとき、まっすぐ家に帰るのではなく、見た目も美しいノンアルコールカクテルを一杯飲んで、気持ちをリセットしてから家路につく。心を“0”にする楽しみ方ができる「0%」、一度訪ねてみてはいかがでしょうか?
【店舗情報】
東京都港区六本木5-2-4
03-6434-0789
営業時間:平日16:00〜21:00、土日祝12:00~21:00
定休日:不定休
※支払いは完全キャッシュレス対応
Instagram:@0pct_tokyo

