【永久保存版】「あちらのお客様からです」って本当にあるの? バー初心者の疑問に現役バーテンダーが答えます<その他 編>

初級編 2021.10.25

最終記事更新:2021.10.25

バー初心者・未経験者の方に向けて、現役バーテンダーさんにバーのあれこれを教えてもらうQ&A企画。第1回<入店前~注文編>第2回目<飲酒時、会計時編>に続き、今回が最終回となります。

最終回となる本記事では、バー全体に関する素朴な疑問に答えていただく「その他」編です。よく耳にする“バーあるある”は実際どうなのか?

今回も答えていただくのは、西新宿のシガーバー「BAR 十二社」店長の原田幸典さん。時折「難しいですね……」と唸りながらも、納得のいく回答の数々に、&BAR取材チームからは「なるほど~!」という歓声が幾度も上がりました。

 

「BAR 十二社」店長の原田幸典さん。最後までよろしくお願いします!

 

 

【バーQ&A その他編①】探偵は本当にバーにいる!?

 

Q.
お店側がお客さんを“常連”と意識し始めるのはどのくらいから?

A.
難しいですけど、私の場合は、その方のお名前とお酒の嗜好を覚えれば常連さんだと認識しますね。一度の来店でも、オーダーしたお酒をすごく気に入っていただいたらそれだけで記憶に残りますし、3回目ぐらいで「この方はこのお酒が好きだったな」と覚えられたりもします。初めて来店して、「また来るね」とおっしゃっていたお客様が翌日も来てくれた、という場合も、完全にその方のことは認識しています。

Q.
『探偵はバーにいる』という作品がありますが、探偵さんみたいな変わった職業のお客さんっていますか?

A.
うちには探偵のお客様はいらっしゃらないですね(笑)。でも、バーでアルバイトをしている方って、探偵の仕事をしている方が多いイメージです。探偵さんは稼働時間がバラバラなので、夜の時間帯の方がバイトしやすいらしくて。当店に応募してくれた方で「探偵をやっています」という例もこれまで何度かありましたよ。

 

 

Q.
注文時など、バーテンダーさんに声をかけたいときの呼び方は?

A.
私は何でもいいと思っています。仲良くなった方は「原田さん」と呼んでくれますし、「マスター」でもいいですね。大きな声で「すみませーん!」とやるのではなく、目の高さぐらいまでスッと手を挙げて呼んでいただくのがスマートだと思います。

Q.
バー特有のマナーやお作法はどんなものがあるの?

A.
特有ではないかもしれませんが、「話すときは声のボリュームを落とす」「酔っ払いすぎない」「飲みすぎて眠り込まない」などでしょうか(笑)。

あとは、バーテンダーを“バーテン”と呼ぶのは避けた方がいいです。昔の言葉で、定職に就かず住居を持たずに徘徊しているような人を“フーテン”と呼んでいました。“バーで飲んでいるフーテン=バーテン”と呼ばれていた時代があるので、良い意味の言葉ではありません。バーテンダー当人は気にしていない人も多いと思いますが、“バーテン”と呼ばれて良い気はしないと思います。

Q.
なぜバーには一般の方が知らないルールやお作法があると思いますか?

A.
なぜ?と聞かれると難しいのですが……。おそらく、他のお客様もいらっしゃる場所なので、みんなが気持ちよく過ごす空気を壊さずに、バーを楽しむためのルールだと思います。ただ、「大きな声で騒がない」「酔っぱらってまわりに迷惑をかけない」というのは、特別変わったルールではないですよね。バーは“紳士淑女が集まる場所”という名目がありますので、その場に合ったすてきな振る舞いをしていただきたいなとは思います。

Q.
なぜ今はそういったルールがあまり知られていないのでしょうか?

A.
やはり、お酒を飲まない人が増えたからだと思います。10年前ぐらいだったら、会社の先輩が後輩を連れてバーに来るという光景もよく見かけましたが、今では“アルハラ”(アルコールハラスメント)になってしまうことがありますよね。そういう時代の移り変わりも大きいと思います。

 

【バーQ&A その他編②】初めてのお酒体験はぜひバーで!

 

Q.
いわゆる「あちらのお客様からです」って本当にあるんですか?

A.
ドラマで見るような、ひとりで飲んでいる女性のところへスッ……と差し出すようなのはさすがにありませんが(笑)、隣に座っている方に「1杯あげてください」と声をかけられることはよくあります。あとは、ボトルを1本入れていただいて、「マスターも1杯どうぞ」「飲み切れないので、他のお客さんにも1杯ずつどうぞ」ということもありますね。

Q.
「あちらのお客様からです」の後、お客さん同士が仲良くなることはありますか?

A.
その場で仲良くなって、話が盛り上がっているなということはよくあります。ただ、そのまま一緒に店を出る、というのは見たことはないですね。

Q.
コロナ明けのバーの楽しみ方は変わると思いますか?

A.
変わらないと思います。今までいらっしゃっていた方も、コロナ明けにいらっしゃる方も、“お酒を楽しみたい”という目的は同じですから。消毒など基本的な感染症対策はしつつも、基本的には変わらないと思いますね。

 

 

Q.
どんな方にバーに来てほしいですか?

A.
これは完全に私個人の意見ですが、20歳になって、「これからお酒を飲んでみたいな」という方は、最初にバーに来ていただきたいです。居酒屋でビールやレモンサワーを飲んだり、家で缶チューハイを飲むのももちろん良いのですが、それだけではないんだよ、ということを知ってほしい。ある程度居酒屋に慣れてしまうと、金額面から見てもバーに行くメリットってなくなってしまうんですよね。できればバーに来ていただいて「こんなお酒もあるんだ」というのを知ってもらってから、居酒屋や家飲みも楽しんでもらう。その方がぐっと世界が広がると思いますし、自分の好みの味も見つけやすくなると思います。

当店のお客様のなかにも「今日初めてバーに来たんです」という方もいらっしゃいますよ。「今日が20歳の誕生日なんです」というお客様もいらしたことがあって、最初のバーに選んでいただけたのは嬉しかったですね。

 


現役バーテンダーの原田さんに、3回にわたって、バーの疑問・質問に答えていただきました。原田さんの口から軽やかに語られるバーの歴史や意外なトリビアなど、ひとつひとつの答えが新鮮で興味深いことばかり! お酒やお酒を楽しむ空間のことをもっと好きになれそうな時間でした。

これまでの3つの記事を読んで、「もっとバーのことを知りたい!」と思った方、「こんなときはどうすればいいの?」と新たな疑問が浮かんだ方、ぜひ原田さんがいるBAR十二社や、お近くのバーに足を運んでみてください。バーはいつでも、お酒を飲む時間を愛する人を待っています。

 

【おすすめの一杯】

原田さんに作っていただいた珠玉のカクテルをご紹介。

 

「ドゥループ」1760円

 

「ドゥループ」

〆の一杯にもぴったりな、コーヒーベースのオリジナルカクテル。ウォッカの中にコーヒー豆を2時間漬け込んで香りを移し、サクランボのシロップとリキュール、卵白を合わせてシェイク。チョコレートのビターズを数滴たらして完成です。

「ドゥループ」とは、果物の種の一部のこと。さくらんぼや、コーヒー豆の原料であるコーヒーチェリーも含め、ドゥループのある種を持つフルーツのみを使用していることからこの名をつけたといいます。バリスタの資格を取得するほどコーヒーが大好きな、原田さんならではのオリジナルカクテルです。

 

【店舗情報】

BAR十二社
東京都新宿区西新宿4-12-8 フジサンコービル B1F
03-6300-4447
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜

Instagram:@barjuniso

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