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「山ねこ」を醸す焼酎蔵が手掛けるクラフトジン 宮崎の自然の恵みが詰まった「OSUZU GIN」

2008年ごろから、ドイツやイギリスを中心に広まっていったクラフトジンブーム。ジャパニーズクラフトジンの勢いも目覚ましく、日本各地、老舗からベンチャーまで、さまざまな作り手がジンづくりに挑戦しています。

原料にジュニパーベリーを使用していれば、他にどんなボタニカルを使ってもOK。その自由度の高さがジンの魅力ではありますが、一方で、原料次第で香りや味わいが大きく変わるため、いかに原料にこだわるかがクラフトジンづくりにおいて一つのポイントといえそうです。その土地ならではの特産品や知られざる魅力を持ったボタニカルを用いることで、他にはない個性を発揮し、地元の魅力を全国へ、世界へと広く発信することができます。

宮崎県中央部に位置する児湯郡木城町(こゆぐん・きじょうちょう)の山中に立つ「尾鈴山(おすずやま)蒸留所」では、原料にこだわり、丁寧な手仕事による焼酎、ウイスキー、そしてジンづくりが行われています。豊かな自然に囲まれたこの場所で、果たしてどのようなクラフトジンが作られているのでしょうか。蒸留所のある尾鈴山を訪ねました。

 

人里離れた山奥にひっそりとたたずむ「尾鈴山蒸留所」


尾鈴山は、九州山地の東に位置し、木城町と都農(つの)町にまたがる自然豊かな山。日本の滝百選にも選ばれている「矢研の滝」をはじめとする大小30を超える滝を擁しています。年間降水量は3000ミリともいわれ、豊富で清らかな水が農業や酒づくりに活かされています。

 

山中に立つ「尾鈴山蒸留所」のモダンな建物。周囲はひっそりとしており、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてきます。


尾鈴山蒸留所が開設されたのは、1998年のこと。1885(明治18)年創業の「黒木本店」の別蔵としてスタートしました。黒木本店といえば、芋焼酎「㐂六」、麦焼酎「中々」、プレミアム焼酎と呼ばれる「百年の孤独」など、焼酎好きならよく耳にする人気銘柄を手掛ける老舗の焼酎蔵です。

古くから城下町として栄え、今も地元の人々が行きかう高鍋町にある黒木本店に対し、そこから車を30分ほど走らせた尾鈴山の中にある尾鈴山蒸留所は、豊かな森に囲まれ、周囲にはのどかな風景が広がっています。この対照的な2つの蔵を取り仕切るのは、黒木本店の5代目当主・黒木信作さんです。

 

黒木本店・尾鈴山蒸留所代表の黒木信作さん。1988年生まれの若き当主です。


「黒木本店は街中にあり、人々の生活に近い距離感を持った蔵。一方で、より自然の中で造りに集中でき、尾鈴山のきれいでやわらかな水をふんだんに使った酒づくりに挑戦できる場所として作ったのが尾鈴山蒸留所です。伝統的な黒木本店と、新しい取り組みができる尾鈴山蒸留所、両方の蔵で酒づくりができるおもしろさを感じています」(黒木さん、以下同)

尾鈴山蒸留所では、「山ねこ」や「山猿」などの本格焼酎、ウイスキー「OSUZU MALT(オスズモルト)」などを醸しています。これらの原料となる芋、麦、米などの農作物のすべてが、自社農園をはじめ九州で栽培されたもの。仕込み水には尾鈴山を流れる川の上流から引いた超軟水を使用し、お酒の要となる麹づくりはすべて蔵人たちによる手仕事で行われています。

2020年7月に発売された、尾鈴山蒸留所初となるクラフトジンは、その名も「OSUZU GIN(オスズジン)」。自社農園で育てたショウガや山椒、尾鈴山で育った榊(さかき)や椎茸の原木、地元の農家やご近所の方から買い取った柚子や日向夏などの柑橘類といった、地元ならではのボタニカルを使用しているのが特徴です。ベースとなるスピリッツには、芋焼酎「山ねこ」を使用しています。

 

「ボトルも型から作ったので思い入れは強い」と黒木さん。日本の伝統産業である焼酎を活かしたジンなので、ラベルにはあえて英語表記のみ載せているのだとか。


自社農園で、ジンの原料となるボタニカルの栽培を始めたのは4年ほど前のこと。長年焼酎づくりを続けてきた老舗蔵がジンづくりを手掛けると聞くと大きな変革のようにも思えますが、黒木さんは「蔵の歴史から考えると、“まったくの新しいお酒”という認識はない」と話します。

「私たちは140年以上前から、ずっとこの土地の恵みを醸して焼酎という蒸留酒を作っています。日本の焼酎の歴史は500年ほどで、時代によって技術が進化し、原料が変わり、市場が変わり……と、さまざまな環境の変化に適応しながら焼酎文化が育まれてきました」

 


「そういう意味では『OSUZU GIN』も、私たちが代々引き継いできた焼酎の延長線上にあるものです。地元にある、華やかな香りを放ついろいろなボタニカルを使っていて、そういう新しい取り組みと伝統的な部分がうまく重なり合ったお酒だなと感じています」

 

自然の力を借りながら続ける酒づくり


尾鈴山蒸留所では、酒づくりをする設備にもこだわっています。麹づくりをする室(むろ)や醪(もろみ)を造る桶はすべて木製のものを使用。原料を蒸す工程や発酵の工程で出る余分な水分を木が吸ってくれるため、適切な水分量を維持することができます。人の手仕事に加え、自然の持つ力もうまく活用するのが尾鈴山蒸留所の酒づくりです。

また、複数種の蒸留酒を作っているため、それに合わせて蒸留機も使い分けています。ウイスキーは銅製のドーム型、焼酎はステンレス製。ジンを作る際は焼酎用の蒸留機と、さらに小容量の蒸留機を使用。ボタニカルは1種類ずつ、それぞれの旬の時期に新鮮な状態で蒸留し、出来上がった原酒を後からブレンドしてジンが完成します。機械の材質や加熱方法の違いで、香りの出方にも違いが生まれるそうです。

(左)整然と並ぶ、醪を造るための木桶。丈夫で曲げやすい宮崎原産の杉を使用しています。(右)「OSUZU GIN」の原酒を造るのに使用する、400リットルの小容量蒸留機。


「『OSUZU GIN』のメインのボタニカルはジュニパーベリー。そこに地元で獲れた柑橘や、先祖が神主だったことから尾鈴山で獲れた榊、さらに山の要素を入れたくて、ごく少量ですが椎茸の原木を入れました。ベースの芋焼酎『山ねこ』はもともと柑橘系の香りがするお酒なので、これらの原料と相性が良いと思って使用しています。スタンダードなジンとして、ジンらしさを損なわないというのがコンセプトです」

尾鈴山の中にある自社農園。取材時、橘や金柑などが実をつけていました。

 

現在栽培中のジュニパーベリー。4年ほど前に他県に自生していたものを許可を得て移植したそう。「収穫できるようになるまで、あと3年ぐらいかな」と黒木さん。

 

フルーティーさと森の香りが爽やかな一杯


「OSUZU GIN」を試飲してみましょう。黒木さんいわく、「あまり先入観なく、普段ジンを飲まないような人にも飲んでほしいお酒。実際にSNSを見てみると、初めて飲んで味と香りで気に入ったという声も多いです」とのこと。先入観を持たず、できるだけフラットな気持ちでボトルを開けてみました。

まず感じるのは、フルーティーかつ奥行きのある香り。ベースの「山ねこ」や原料の柑橘系が持つフルーティーさが先に立ちますが、その奥に山椒や榊、椎茸の原木といった“森の香り”とも言える爽快な香りが広がります。

飲んでみると、口当たりはすっきりとしつつ、丸みのあるほのかな甘さと麹の香ばしさが広がり、柑橘類や山椒が爽やかな後味を残してくれました。ジンらしさはありつつもクセがなく、スッと舌になじむ味わいです。

 


「個人的には、ジンの香りを引き立てるシンプルなソーダ割りで飲むのがおすすめ。お好みでトニックウォーターを入れたり、いろいろなシチュエーションで楽しんでほしいです。ベースが焼酎なので、お湯割りにしてもいいですね。焼酎のお湯割りを飲むときとは違った香りを楽しめると思います」

料理とのペアリングについて尋ねると、「柑橘がしっかり効いているので、塩焼きの魚や肉、お寿司など、柑橘を絞って食べたい料理に薬味的に使うとおいしいですよ」とのこと。また、スモーキーな香りと相性がいいので、タバコを嗜むようなシーンにも合いそうだといいます。家族で食卓を囲むような時間から、バーでゆっくり物思いにふけるようなときまで、さまざまなシーンに寄り添ってくれそうです。

 

尾鈴山蒸留所の倉庫の奥には隠れ家のようなバーカウンターが。黒木さんいわく「自分が原酒のブレンドを楽しむ“遊び場”であり、お客様をもてなすための場所です」

 

「『OSUZU GIN』は、楽しみながら造ったお酒です。試験蒸留を重ね、出来上がるまで時間はかかりましたが、それを苦に感じたことはありません。なにより自分が飲んでおいしいと思うジンの追求を今も続けています。これが完成形ではないですし、ここからさらに変化する可能性もあります。ウッド系のボタニカルをメインにするなら麦焼酎の『山猿』をベースにしてもいいかもしれない。ベースを変えて試せるのも、うちの蔵ならではかもしれませんね」


「もともと焼酎を“大地の香水”と捉えている」という黒木さん。これからもカテゴリーに縛られず、この土地の香りを楽しめる蒸留酒を造り続けたいと語ります。

「食事中に出会ったり、旅先で出会ったり、『ベースのお酒×ボタニカル』の掛け算はさまざまな組み合わせがあると思うので、新しいクラフトジンのアイデアは無限にあります。今までお酒に使ったことがないようなボタニカルも香りを引き出せる可能性があるので、これからも挑戦し続けたいなと思います。自分たちにしかできない商品を造り続けていきたいです」

 

【全国のバーテンダーの皆さんへメッセージ】

 

「『OSUZU GIN』は、飲み飽きせず、カクテルとしても汎用性があるような、ジンらしさがあるお酒にしようと思って造りました。僕自身、麹と焼酎の新たな可能性を感じながら楽しんで作ったお酒です。ジンでありながらしっかり個性があるので、ぜひバーテンダーの皆さんにも、カクテルという形でジンの魅力をさらに引き出していただけると嬉しいですね。ぜひ、いろいろ試してみていただけたらと思います」

 

<&BAR × JT 「BARサポ」キャンペーン>

本記事で紹介した『OSUZU GIN』とその他国内3つの蒸留所のクラフトジンをあわせて応募者(先着制)無料でお届けいたします。

【キャンペーン実施主体】
&BAR運営事務局(Retty株式会社内)

【実施期間】
2022年4月1日(金)〜5月31日(火)

※新型コロナウイルス感染症などの影響により、クラフトジンの配布時期・キャンペーン開始時期などの実施期間が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

【参加対象】
東京都に店舗がある飲食店(バー業態)

■当キャンペーン及び参加方法に関する詳細はこちらをご覧ください。
BARサポキャンペーンWEBサイト~
https://campaign.andbar.net/barsapo/index.html

 

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